NKJKという漫画を読みました。インターネット上で良い評判を見かけたので、軽い気持ちで買いました。全二巻。
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- 作者: 吉沢緑時
- メディア: Kindle版
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ひとことで言えば、「大病を患った親友のために、女子高生の主人公が、毎日お見舞いに行って笑わせる」だけの漫画です。具体的な病名は描かれていませんが、同じく入院している登場人物が脱毛していることや、闘病のようすから、がんの一種だろうなということは想像できます。書評を読んだときから、「あ、これはたぶん同病かそれに近い病気だろうな」と覚悟をして買いました。
ほんとうは、子どもや若い人ががんになる作品は嫌いでした。そういった作品は、わたしの中で、ハッピーエンドにならないだろうという思い込みがあり、死に対する描写に恐怖がありました。闘病をエンターテイメントとして昇華される気持ち悪さもあります。がんは、つらくて苦しくて、そしてみんなに感動を与える、そういう風に刷り込まれている気がして、どうしても好きになれなかったのです。
核心を突きます。NKJKは、ハッピーエンドな作品です。読み終わる最後の最後まで、もしかすると違うかもしれないという不安がありましたが、前向きなクライマックスを迎えます。
ただ、吐血したり、症状や治療への恐怖を感じる場面もあります。残念ながら、登場人物の一人が亡くなる悲しい場面もあります。もしわたしが、告知を受けた直後や、つらい治療の真っ最中だったら、読めなかったかもしれません。
それでも、いまこのタイミングで読んで良かったと思います。「闘病しているのは、患者一人ではない」と改めて気づけたからです。病を患った親友のために、NK細胞(免疫力を高める細胞)を活性化させようと、必死になって笑わせようとする主人公や友人たち。わたし自身の家族や友人たちと重なり、泣けました。病気になっても変わらない友情や、あえて不謹慎なことをして(お通夜をして笑わせる場面があって、そこが最高に面白い)笑わせる場面。がんと闘っているのは、自分だけではないと思えます。みんなで一緒に闘うぞ! と決心させてくれます。
もし、家族や友人に、大病と闘う方がいたら、ぜひくだらなくて不謹慎なことをして笑わせてあげてください。告知からしばらくして、「がんになってガーン!」というギャグで夫と笑いあった日々を思い出しました。
治療が落ち着いた患者の方や、家族や友人が闘病中の方におすすめです。

- 作者: 吉沢緑時
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/03/12
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話は逸れますが、作者の吉沢緑時 (id:ryokuji) さんが、作品の背景を描かれていたので貼っておきます。